第270章 お兄さんからの贈り物

吉田東雄「?」

ふふふ、面白いことを言うね。

「ありがとう、吉田社長お兄さん」灰原優歌の声は、さっきまで外で彼に向かって反抗的だった人とは思えないほど従順だった。

吉田東雄「……」

この二人とも、ろくな人間じゃない。

「お兄さん、おやすみなさい」

灰原優歌は突然久保時渡に目を細め、アラスを連れて階段を上がった。

灰原優歌が去った後。

吉田東雄がまだ状況を把握できていないうちに、隣の男が彼を横目で見た。

「まだ帰らないのか?」

吉田東雄「???」

聞いてよ、これが人の言うことか??

真夜中に呼び出しておいて、本当に灰原優歌を家に連れて行くだけだったのか!!?

……

翌日。

吉田麻奈未は早朝から電話をかけてきて様子を尋ねた。

「優歌、大丈夫?」吉田麻奈未は少し緊張した様子だった。