その後。
みんなはノートに書かれた文字を見つめた。そこには、はっきりと四文字が書かれていた。
——私はバカです。
「うわ、ちょっと厳しいな。でも、いいね」と誰かが冗談めかして言った。
「まあ、森谷美貴がこんなことをしたら、灰原優歌が受け入れるわけないでしょ?謝ったほうがマシよ。前からあの子のこと気に入らなかったわ」
「前は学校内で恥をかいてたのに、今度は学校外まで恥を晒すなんて。誰が調子に乗らせたのかしら」
「面白い見物になりそうだね。まあ、私には関係ないけど」
その時。
森谷美貴が急かすように言った。「灰原優歌、もしかして怖気づいたの?」
物理の先生が状況を把握して止めようとする前に、灰原優歌は少し考えてから、ゆっくりと言った。
「もし誰かが私のいじめだって言い出したら、どうするの?」