第280章 同級生は天に昇りたがっている

その後。

みんなはノートに書かれた文字を見つめた。そこには、はっきりと四文字が書かれていた。

——私はバカです。

「うわ、ちょっと厳しいな。でも、いいね」と誰かが冗談めかして言った。

「まあ、森谷美貴がこんなことをしたら、灰原優歌が受け入れるわけないでしょ?謝ったほうがマシよ。前からあの子のこと気に入らなかったわ」

「前は学校内で恥をかいてたのに、今度は学校外まで恥を晒すなんて。誰が調子に乗らせたのかしら」

「面白い見物になりそうだね。まあ、私には関係ないけど」

その時。

森谷美貴が急かすように言った。「灰原優歌、もしかして怖気づいたの?」

物理の先生が状況を把握して止めようとする前に、灰原優歌は少し考えてから、ゆっくりと言った。

「もし誰かが私のいじめだって言い出したら、どうするの?」