第281話 局面逆転!

「越智先生は本当に灰原優歌を甘やかしているわね。こんな時でも、灰原優歌に顔を立ててあげるなんて」

下から嘲笑う声が聞こえた。

「よく考えなさい」

灰原優歌は、さっき発言した人を冷ややかに見渡したが、偶然目が合った女子生徒は、突然背筋が寒くなった。

「分かりました」

越智先生は降りてきて、問題集を森谷美貴に渡した。「森谷さん、やり過ぎは良くないよ」

森谷美貴は、さっき土屋遥が灰原優歌の代わりに罰を受けようとした場面を思い出し、嫉妬で顔が歪んでいた。

先生の言葉など耳に入るはずもなかった。

「越智先生はいつも優等生がお好きなのに、どうして灰原優歌だけが例外なんですか?」

森谷美貴は軽く笑って、「もしかして、彼女の家が金持ちだからですか?」

「森谷美貴、発言する前に頭を使いなさい。頭を飾りにしないで」