他人には分からないが、なぜ会社が久保集団の怒りを買ったのか。
しかし柴田裕香には分かっていた。
全ては、あの男のせいだ……
柴田裕香は目を見開き、歯ぎしりをしながら、心の中で激しい不満を感じていた。
どうしてこんなことに??
あの男は灰原優歌のためにここまでするつもりなの!?
……
時が過ぎ、金曜日の永徳学園の保護者会の日となった。
1組2組の生徒たちは、ほとんどが爽やかな様子だった。一方、いつもは騒がしい7組は、不気味なほど静かだった。
「隣の席の人、今回の保護者会には誰が来るの?」土屋遥は灰原優歌と一緒に水を汲みに外に行った。
「お兄ちゃんかな。」
灰原優歌は目を伏せた。この件については久保時渡に軽く一度だけ話したが、彼が覚えているかどうかは分からない。
当時は点数を抑えることばかり考えていて、保護者会で叱られるかもしれないことを忘れていた。