第285章 罰を受ける

そのとき。

皆それぞれ思うところがあった。

ほとんどの人が、灰原優歌が突然翻意したのは、勝てないと思ったから、いいところで引き下がったのだと考えていた。

森谷美貴の運が悪かった。相手の兄が教えた問題を選んでしまったのだから。

「いつも拾い物ばかりできるわけじゃないでしょう」と誰かが小声で話し合っていた。

「そうね、この大会には高校2年生と3年生も参加するって。1組の柴田裕香も申し込んだし、3年1組の内田和弘も出るんだって」

「マジかよ……灰原優歌が最下位になったら、かなり恥ずかしいことになるね。内田和弘と柴田裕香は遥ちゃんラブラブなのに、二人とも彼女を圧倒することになるし……」

「本当にそうだよね」

……

これらの言葉を聞いて、土屋遥は眉をひそめ、もう一度灰原優歌を見た。