第284章 超クールだぜ、灰原様

「ありがとう」

灰原優歌は自然に兄の代わりに引き受けた。

「それは不公平よ!灰原優歌のお兄さんは既に教えてあげたんでしょ!」森谷美貴は机を叩いて立ち上がり、怒って言った。

「何が不公平なの?和田誠の先生だって練習したんじゃないの?」土屋遥は嘲笑った。

佐藤知行が突然、「森谷さん、君と和田誠は同じ物理の補習クラスだったよね」と言った。

その言葉が落ちた。

森谷美貴は慌てた表情を見せたが、強引に否定した。「和田誠がこの問題をやったなんて、私が知るわけないでしょ!」

しかし、森谷美貴が否定しても、多くの人が彼女を見る目には疑いの色が残っていた。

知らないのなら、どうしてこんな難しい問題を出せて、和田誠が必ずできると確信できたのか?

結果的に、灰原優歌に漁夫の利を得られてしまった。