土屋遥はこの世界が全て幻想的になったと感じた!
和田誠のあのバカでもできなかったのに、隣の席の彼女ができたなんて??
佐藤知行の土屋遥を見る目も、とても複雑だった。
彼は気づいていないのか、灰原優歌がiPadを使うたびに、外国語の文献を読んでいることに?
彼女はローシェルで育った人なのに。
突然。
越智先生は顔を曇らせて言った、「静かに!!」
みんなが静かになり、不満げに彼を見つめる中、越智先生はようやく教壇に立った。
彼はチョークを取り、和田誠と灰原優歌の解答手順の横に、点数をつけた。
6点、15点。
次の瞬間、全員の心に激しい波が立った!
「まさか!和田誠が6点しか取れなかったのに、なんで灰原優歌が満点なの??」
「私の目がおかしいの??この点数、間違えてつけたんじゃない???」
黙っていた森谷美貴も、極めて不愉快な表情を浮かべた!
これはありえない!
灰原優歌のような勉強もできない無能が、どうして正解できるはずがある??
そのとき、和田誠が立ち上がった。
「先生、この問題は以前、他の先生に教えてもらいました。」
和田誠のこの言葉を聞いて、全員が目を見開いた。この問題がこんなに難しいとは思わなかった。教えてもらっても、たった6点しか取れないなんて?
しかし、和田誠は自分で自分の首を絞めているようなものだ。
その後。
みんなが疑問に思う間もなく、和田誠は灰原優歌を睨みつけ、陰険な口調で言った、「でも、彼女の解き方は間違っています!」
灰原優歌が書いた解答手順は、彼の先生が教えた解き方とまったく違う!
8つのステップで答えが出るなんて??
そんなはずがない!?
和田誠の言葉は、巨大な石のように、平穏な状況に大波を起こした!
「やっぱり、彼女が正解するわけないじゃない!」
「越智先生ひどすぎる。私、前まであんなに好きだったのに、灰原優歌のためにカンニングを見逃すなんて。」
「きっと灰原優歌が越智先生を脅したんだわ!だって彼女は柴田家のお嬢様なんだから。」
「もう十分でしょう!?」
越智先生は不機嫌な顔をして、彼らの灰原優歌に対する悪意がこれほど大きいとは思わなかった。
「私たち、間違ったことは言ってないわ。」
「そうよ、和田誠も言ったでしょう、この解き方は全然違うって!」