「でも、その技術は私にもないんです。」
内田和弘は一瞬驚いた。三浦雅子がこのことでこんなに心配するとは思わなかった。
「和弘、あなたがA.M.計算研究所にいることは知っています。誰か手伝ってくれる人がいないか聞いてもらえませんか?このままだと、私たちの家族が困ることになりそうで...」
三浦雅子は言い終わると、また唇を噛んだ。
内田和弘はそれを聞いて、三浦雅子が自分を頼ってきた理由が分かった。
確かに、実習生として正式メンバーと接触する機会はあるが、彼らに頼み事をするのは...
少し難しそうだった。
「聞いてみることはできますが、彼らはこういった事に関わりたがらないと思います。」内田和弘は諦めの表情を浮かべながら言った。
「分かっています。ありがとう、和弘。」
三浦雅子はそれを聞いて、ほっとしたように笑った。