「どうしたの?」
灰原優歌は飴を噛みながら、自分の席に戻った。
「『主神図』がトップニュースになったの、見た?」と土屋遥が尋ねた。
「見てない」
灰原優歌は簡潔に答えた。
「ゲーマーなのに、どうしてそんなに無関心なの?」土屋遥は納得できない様子だった。
灰原優歌:「……」
あのゲーム、アプリのアイコンが醜すぎて、アンインストールしてしまったのだ。
でもそれは、灰原優歌は言うつもりはなかった。
「バグでしょ?別に解決できない問題じゃないでしょ、誰かに修正してもらえばいいじゃない」灰原優歌は気にしていなかった。
以前、灰原優歌が引き受けたくなかったのも、この仕事があまりにも技術的な価値がなかったからだ。
「そう簡単にはいかないよ。今はサービス全域が停止してて、内部の人の話では、バグがかなり深刻で、一つ直すとまた別のが出てきて、まるで底なし沼みたいなんだって。