第292章 上層部は大物を見張っている

「どうしたの?」

灰原優歌は飴を噛みながら、自分の席に戻った。

「『主神図』がトップニュースになったの、見た?」と土屋遥が尋ねた。

「見てない」

灰原優歌は簡潔に答えた。

「ゲーマーなのに、どうしてそんなに無関心なの?」土屋遥は納得できない様子だった。

灰原優歌:「……」

あのゲーム、アプリのアイコンが醜すぎて、アンインストールしてしまったのだ。

でもそれは、灰原優歌は言うつもりはなかった。

「バグでしょ?別に解決できない問題じゃないでしょ、誰かに修正してもらえばいいじゃない」灰原優歌は気にしていなかった。

以前、灰原優歌が引き受けたくなかったのも、この仕事があまりにも技術的な価値がなかったからだ。

「そう簡単にはいかないよ。今はサービス全域が停止してて、内部の人の話では、バグがかなり深刻で、一つ直すとまた別のが出てきて、まるで底なし沼みたいなんだって。