米田坊ちゃまの言葉が落ちると、すぐ横から人の声が聞こえてきた。
「澄辰、アラスの紐をしっかり持ってね。今日は灰原お姉さんの誕生日だから、お姉さんを悲しませないようにね?」
久保大夫人は正装で、元々優雅な眉目は、年を重ねても威厳に満ちていた。
「はい、僕もお姉さんにプレゼントを用意したんですよ!」
今日の澄辰は小さな王子様のような格好で、わざわざ小さなリュックを背負って来て、一生懸命アラスの紐を引いていた。
「それなら安心だわ」
久保大夫人はほっと息をついた。
彼女はまだ澄辰をパーティーに連れて行ったことがなかったが、今回の参加も、ある人の要望によるものだった。
久保大夫人が中に入ると、外にいた七人は驚きのあまり気が動転した!!!
「く、久保集団の大夫人??!」
「あの子は久保集団の若坊ちゃまじゃない??!若坊ちゃまは人前に出ないはずじゃ...どうして灰原優歌の誕生日に...」