「柴田裕香のことを買いかぶりすぎよ。国際音楽協会なんてそう簡単に入れるものじゃないでしょ?」
誰かが笑いを抑えきれずに言った。「国際音楽協会のメンバーって、みんな教科書に作品が載っている人たちよ。彼女に何の作品があるっていうの?」
「でもYUNだって入ったじゃない?」クラスで柴田裕香のことが好きな男子が反論した。
「彼女がYUNと比べられるわけない」
二人が言い争いを始める前に、隣で誰かが小声で言った。「ローシェルにいる友達が言うには、向こうの文部省がYUNの著作権を買おうとしているらしいわ……」
ただし、まだ売る許可は下りていないけど。
それを聞いた皆は沈黙に包まれた。
ローシェルが自国の曲の著作権を買おうとしている???
まさに生きているうちに見られるとは思わなかった出来事だ。