土屋遥「……」
佐藤凡々くんは適当に言っていたわけではなく、本当に同じ席の子の熱狂的なファンだったのだ。
朝礼の時間になり、クラスの生徒たちは運動場に集まった。
コンテストの審査員の先生たちも来ているのが見えた。
「森下先生、遠路はるばるお疲れ様でした」
教務主任は笑顔を浮かべた。
「いいえ、貴校も実力者揃いですね。物理コンテストで上位5名のうち、3名も貴校の生徒さんでしたから!」
森下先生は意味深な目で教務主任を見て、「侮れませんね」と言った。
それを聞いて、教務主任の笑顔はさらに輝いた。
「本当ですか?それは生徒たちが頑張ってくれたということですね!」
「こんな素晴らしい成績は、努力だけでは得られないでしょう」と森下先生は感慨深げに言った。
満点の答案を採点した後、出題者の木本先生は一晩中眠れなかった。
木本先生が十数年間問題を作ってきて、業界初の大失態に遭遇したのだから。
「そうですね、そうですね」
教務主任は森下先生の真意が分からず、ただ相槌を打ち続けた。
彼は目に皮肉な色を浮かべ、突然話題を変えた。「森下先生は今回の採点もお疲れ様でした。ところで...我が校の最低点はどうでしたか?」
「貴校の最低点も悪くないですよ。他校はもっと低い点数が多かったです」
森下先生は微笑んで、教務主任の肩を叩いた。「コンテスト委員会の先生方にこんな大きな驚きを与えたのに、まだそんなに謙虚なんですか?」
教務主任はこの言葉に違和感を覚えた。
70、80点程度で驚きと言えるのだろうか?
考えてみると、教務主任もその説明を受け入れた。結局のところ、木本先生は何度か全国模試を作ったが、全国平均点は40、50点程度だったのだから。
そのせいで、木本先生は保護者に殴られそうになったとも聞いている。
突然。
「石川教授も来られたんですか?」森下先生は遠くから石川信方の姿を見つけた。
石川信方は何気なく携帯を下ろし、微笑んで答えた。「いいえ、今回のコンテストの成績が良かったので、見に来ただけです」
森下先生「?」
採点を逃げ出した人が、成績について語る資格があるのか??最高点が何点か知っているのか???
そしてこの時。
教務主任は石川信方を見て、目を輝かせた!
これぞ雲城大学最年少の教授!!