第358章 まだ1位の表彰式ではない

「では、無駄話はこれくらいにして、表彰式を始めましょう」

森下先生が言い終わると、隣の篠井教授と学長たちは、受賞者四人の表彰状を手に取った。

学長が持っているのは、一位の表彰状だった。

そして。

学長が満面の笑みで表彰状を開き、三浦雅子をどのように褒めようかと考えていた時、名前を見た瞬間、その場で固まってしまった。

「こ、この表彰状は……」

学長は我に返ると、晴天の霹靂を受けたかのように、すぐに篠井教授を引っ張って、確認しようとした。

「学長、そんなに喜び過ぎないでください。まだ一位の表彰までいってませんよ」

篠井教授は肘で学長を軽く突き、冗談めかして言った。

学長の表情が引きつった:「……」

彼は本当に頭が真っ白になりそうだった。

この表彰状に書かれているのは、誰なんだ!??