その瞬間。
何人かが動揺し始めた。
まさか本当に金井様が灰原優歌に問題を教えたから、こんなに良い成績が取れたのか??
でも、ほとんどの人はまだ信じていなかった。
金井様がどんなに凄くても、灰原優歌がどれだけ救いようのない落ちこぼれか、みんなよく知っているのだから。
普段20~30点しか取れない生徒が、いきなりコンテストで満点を取るなんてあり得ない!!?
これは普通の定期テストじゃなくて、コンテストの問題だぞ!木本博先生が作ったコンテストの問題なんだぞ!
永徳の教師たちはそれぞれ思うところがあったが、校長が何も言わないのを見て、他の教師たちも黙っていた。
表彰式が終わるまで。
灰原優歌はすぐに職員室に呼ばれた。
灰原優歌を担当する越智先生の他に、教務主任と校長もいた。
「学級委員、この成績は本当の実力なの?」越智先生は笑みを浮かべながら、成績の不正を疑うわけではなく尋ねた。