第363話 あなたは彼女を食事に誘うつもり?

その瞬間。

何人かが動揺し始めた。

まさか本当に金井様が灰原優歌に問題を教えたから、こんなに良い成績が取れたのか??

でも、ほとんどの人はまだ信じていなかった。

金井様がどんなに凄くても、灰原優歌がどれだけ救いようのない落ちこぼれか、みんなよく知っているのだから。

普段20~30点しか取れない生徒が、いきなりコンテストで満点を取るなんてあり得ない!!?

これは普通の定期テストじゃなくて、コンテストの問題だぞ!木本博先生が作ったコンテストの問題なんだぞ!

永徳の教師たちはそれぞれ思うところがあったが、校長が何も言わないのを見て、他の教師たちも黙っていた。

表彰式が終わるまで。

灰原優歌はすぐに職員室に呼ばれた。

灰原優歌を担当する越智先生の他に、教務主任と校長もいた。

「学級委員、この成績は本当の実力なの?」越智先生は笑みを浮かべながら、成績の不正を疑うわけではなく尋ねた。

むしろ彼は常々、灰原優歌の実力が20~30点のはずがないと感じていた。

以前、彼が灰原優歌に罰として書き写しをさせた時、一度写し終わると、すぐに暗記して書き始めたのを見ていた。

このような驚異的な記憶力を持つ人が、20~30点しか取れないはずがない???

「灰原優歌、一体どうやってコンテストの答えを手に入れたの??」教務主任の声は特に耳障りだった。

「主任、私が生徒と話をしているんですが、少し静かにしていただけませんか?」越智は遠慮なく目を回した。

教務主任は怒りで顔色を変えた!

自分の生徒がこんなことをしたのに、まだこんなに庇うなんて???

「越智先生、灰原さんの時間を取らないように。」校長が横から注意した。

それを聞いて、越智の不満はさらに募った。

灰原優歌の時間を取らないようにって、なぜ自分で聞かないんだ??

柴田家に責任を追及されるのが怖いだけじゃないか?!

「学級委員、言いたいことを言えばいい、私は信じているから。」越智は椅子に寄りかかり、にこにこしながら言った。

灰原優歌は落ち着いた様子で答えた:「越智先生の推測は正しいです。」

越智はその言葉を聞いて、思わず息を呑んだ。「なるほど。」

彼も灰原優歌に振り回されそうになっていた。

越智は落ち着きを取り戻してから、もう一度彼女を見た。