「先生……」
三浦雅子は拳を握りしめ、声を出そうとしたが、内田和弘に止められた。
内田和弘は無表情に見えたが、冷ややかな口調で言った。「もういい。次の試験が終わったら、吐き出すべきものは全部吐き出させる」
三浦雅子はすぐに理解した。
あと一週間で中間テストだ。
もし灰原優歌の中間テストの物理の成績が、前回と同じように二、三十点だったら。この成績がどうやって出たのか、明らかじゃないか?
灰原優歌の表情が怠惰そうで、まるで当然のように振る舞っているのを見て、内田和弘たちの表情はますます険しくなった。
「灰原さん、あなたの賞状……頑張ってください」
校長は固くなった手で、慈愛に満ちた様子を演じようと必死だった。
しかし、その場の雰囲気は既に極めて異様なものとなっていた。
灰原優歌がコンテストで満点を取ったなんて、これ以上非現実的なことがあるだろうか???
多くの人々はこの光景が滑稽で皮肉だと感じていた。
突然。
「私がいないのに、どうして生徒に表彰を?」
皆が振り向くと、木本先生が顔を曇らせながら歩いてくるのが見えた。
その瞬間、みんな興奮した!
木本先生は権力に屈せず、カンニングを嫌う人だ。今回来たのは、きっと灰原優歌の正体を暴くために違いない!!!
皆はまるで鬱憤を晴らすかのように、静かにその瞬間を待っていた。
「一位は誰だ?」
木本先生は森下先生を一瞥し、意味深な口調で尋ねた。
永徳の校長と教師たちの、泣くよりも辛そうな笑顔は、ついに崩れ去った!
終わりだ!
今回は木本先生まで来てしまった、永徳は灰原優歌に巻き込まれてしまう!!
「こちらの灰原優歌さんです」
森下先生は穏やかな声で答えた。
木本先生は眉をひそめ、最後に灰原優歌に視線を向けた。
少女は目元が怠惰そうで艶やかで、美しい目尻が緩やかに上がっており、優等生らしからぬ様子だった。
「今回はよくできました。私が十数年間問題を作ってきて、初めての満点です」
木本先生がそう言うのを聞いて、灰原優歌の目尻がわずかに動いた。しばらくの間、何も言わなかった。
傍らの石川信方は、灰原優歌の奇妙で複雑な表情を見て、この神聖な場所で笑い出しそうになるのを必死に堪えた。
まったく灰原様には申し訳ない。