第362章 灰原様の励まし(その1)

「先生……」

三浦雅子は拳を握りしめ、声を出そうとしたが、内田和弘に止められた。

内田和弘は無表情に見えたが、冷ややかな口調で言った。「もういい。次の試験が終わったら、吐き出すべきものは全部吐き出させる」

三浦雅子はすぐに理解した。

あと一週間で中間テストだ。

もし灰原優歌の中間テストの物理の成績が、前回と同じように二、三十点だったら。この成績がどうやって出たのか、明らかじゃないか?

灰原優歌の表情が怠惰そうで、まるで当然のように振る舞っているのを見て、内田和弘たちの表情はますます険しくなった。

「灰原さん、あなたの賞状……頑張ってください」

校長は固くなった手で、慈愛に満ちた様子を演じようと必死だった。

しかし、その場の雰囲気は既に極めて異様なものとなっていた。