第362章 灰原様の励まし(その1)

「先生……」

三浦雅子は拳を握りしめ、声を出そうとしたが、内田和弘に止められた。

内田和弘は無表情に見えたが、冷ややかな口調で言った。「もういい。次の試験が終わったら、吐き出すべきものは全部吐き出させる」

三浦雅子はすぐに理解した。

あと一週間で中間テストだ。

もし灰原優歌の中間テストの物理の成績が、前回と同じように二、三十点だったら。この成績がどうやって出たのか、明らかじゃないか?

灰原優歌の表情が怠惰そうで、まるで当然のように振る舞っているのを見て、内田和弘たちの表情はますます険しくなった。

「灰原さん、あなたの賞状……頑張ってください」

校長は固くなった手で、慈愛に満ちた様子を演じようと必死だった。

しかし、その場の雰囲気は既に極めて異様なものとなっていた。

灰原優歌がコンテストで満点を取ったなんて、これ以上非現実的なことがあるだろうか???

多くの人々はこの光景が滑稽で皮肉だと感じていた。

突然。

「私がいないのに、どうして生徒に表彰を?」

皆が振り向くと、木本先生が顔を曇らせながら歩いてくるのが見えた。

その瞬間、みんな興奮した!

木本先生は権力に屈せず、カンニングを嫌う人だ。今回来たのは、きっと灰原優歌の正体を暴くために違いない!!!

皆はまるで鬱憤を晴らすかのように、静かにその瞬間を待っていた。

「一位は誰だ?」

木本先生は森下先生を一瞥し、意味深な口調で尋ねた。

永徳の校長と教師たちの、泣くよりも辛そうな笑顔は、ついに崩れ去った!

終わりだ!

今回は木本先生まで来てしまった、永徳は灰原優歌に巻き込まれてしまう!!

「こちらの灰原優歌さんです」

森下先生は穏やかな声で答えた。

木本先生は眉をひそめ、最後に灰原優歌に視線を向けた。

少女は目元が怠惰そうで艶やかで、美しい目尻が緩やかに上がっており、優等生らしからぬ様子だった。

「今回はよくできました。私が十数年間問題を作ってきて、初めての満点です」

木本先生がそう言うのを聞いて、灰原優歌の目尻がわずかに動いた。しばらくの間、何も言わなかった。

傍らの石川信方は、灰原優歌の奇妙で複雑な表情を見て、この神聖な場所で笑い出しそうになるのを必死に堪えた。

まったく灰原様には申し訳ない。