第361章 灰原優歌の引き立て役

教務主任は異常に気付かず、むしろ怒りを抑えながら、作り笑いで謝罪した。「はい……

ですが石川教授、この件は報告する必要はありません。成績を無効にして、永徳で独自に解決させていただけませんか?」

このような重要な試験で不正行為が発覚した場合、深刻な場合は懲役刑になることもある。

しかし、灰原優歌がこの件で逮捕されてしまえば、他の上位の生徒たちに影響を与えるだけでなく、永徳の評判にも影響が出てしまう。

「主任は灰原さんに対して偏見が強いようですね」

石川信方は彼を一瞥し、目に温もりのない嘲笑を浮かべた。

「はい……」

教務主任は反応する間もなく思わず同意してしまったが、すぐに違和感を覚えた。「な、何の意味ですか?」

「会場の生徒たちが数回カンニングと叫んだだけで、何の調査もせずに結論を出せるんですか?」