第411章 兄たちの宅配便

灰原優歌は林院長と三十分ほど散歩した後、アパートに戻ろうとした時、突然電話が鳴った。

曽田旭からの電話だった。

「灰原さん?」

灰原優歌は尋ねた。「どうしたの?お兄さんが急用で私を探してる?」

曽田旭は一瞬黙り、言葉を選んでいるようだった。

その後、灰原優歌は曽田旭の言葉を聞いた。「灰原さん、実はこういうことなんです。お兄様方三人とも、品物を送ってこられました。ただ、かなり高価なものらしく、あなたの確認が必要なんです。」

これを聞いて、灰原優歌は前回柴田陸信が渡した鍵のことを思い出した。

彼が金庫を久保集団に送ったの???

じゃあ、柴田裕也と柴田浪は、何を送ってきたの??

灰原優歌は目尻がピクリと動いた。「分かりました。午後に行きます。」

「はい、お手数をおかけします。今日は渡様がいらっしゃらないので、渡様のサインでも良かったんですが。私も支社で会議があって、午後戻れるかどうか分からないんです。」