第409章 今週中に引っ越してもらう

「ありがとうございます、戸田様」

戸田霄は微笑んで、「調べがついたけど、どうするつもり?」

灰原優歌は目尻を上げ、投げやりな口調で、少し意味ありげに言った。

「私のことをそこまで気にかけてくれる人がいるなら、お返しをしないとね」

……

電話を切ってまもなく。

エレベーターホールから声が聞こえてきた。

「優歌、どうしてここにいるの??」

林院長は階下に降りてきて、階下の灰原優歌を見つけるなり、心配そうに彼女の手を取った。

優しく叱るような口調で、「こんな暑い日に、何で階下にいるの??」

「今日は時間があったので、おばあちゃんと一緒にいたくて」灰原優歌は赤い唇を緩ませた。

この時間に林院長が起きているかどうか分からなかったので、階下で待っていたのだ。

きっと、林院長は午前中に買い物に行くだろうと思って。