「確認したけど、今回の募集はYUNさん一人で決めるそうよ」
女性は包み隠さず答えた。
柴田裕香は即座に胸が締め付けられた。「でも、私の枠を確保してくれるって言ったじゃない?!」
そう言うと。
柴田裕香の心には怒りの炎が燃え上がり、目には嫉妬の色が満ちていた。
なぜYUNが戸田霄に認められるの!?
私じゃダメなの??!
「裕香、そんなに焦らなくても。もちろん助けるわよ」
女性は続けた。「これを話したのは、感情に流されないでほしいからよ。YUNはあなたが知ってる学生たちとは違う。差があっても、そう大きくないわ。結局のところ、彼女の実力からすれば、数年後には会長になる可能性だってあるのよ」
「彼女が??!」
柴田裕香は目を真っ赤にして見開いた。
電話の向こうは黙り込んでしまった。
柴田裕香が我に返り、自分とYUNの差を認識するまで。