第446章 YUNの楽譜

灰原優歌:「……」

彼が何かを知っているのかと思った。

「違うわ」

灰原優歌は否定した。

土屋遥は鼻で笑って、「強情を張るなよ」

灰原優歌:「……」

もういいや。

「でも本当に、今みんなY.G.のことを話題にしているよね」

「暇人ばかりね」

灰原優歌はゆっくりと宿題を取り出し、丁寧に補充していった。

以前なら、土屋遥は彼女の救いようのなさに笑っていただろうが、今ではこの子が物理オリンピックで一位を取ったと思うと、黙って何も言えなくなった。

ふん。

灰原優歌のこの様子は、頭から足先まで優等生には見えない。誰が見ても、彼女がコンテストで一位を取れるとは信じないだろう。

でも実際、そうなってしまったのだ。

「時々、君を見ているとY.G.のファンみたいに見えるけど、時にはアンチファンみたいにも見える」

そうでなければ、普通のファンがこんなに冷静でいられるはずがない。

灰原優歌:「……」

突然。

灰原優歌の携帯が振動し、取り出して見てみると、誰かからメールが来ていた。

前回の107さんからだ。

音楽協会の正式な枠を獲得できたら、感謝の意を込めて一度会えないかと尋ねてきた。

その中に、楽譜も添付されていた。

灰原優歌はそれを開いて暫く見ていると、この老紳士の作曲能力は他の人よりも可能性があると感じた。

独特なスタイルで、霊性も欠けていない。原石のようで、丁寧な磨きさえあれば。

すぐに。

灰原優歌は彼の要請を承諾し、もしこの老紳士がコンテストを通過できたら、楽譜の修正もしてあげようと考えた。

……

その一方で。

本当にYUNの楽譜を手に入れた柴田裕香は、ひどく表情を曇らせていた。

彼女は我慢できずに、あの女に電話をかけた。

「この楽譜を一週間で習得しろなんて、絶対に無理よ!しかも、面接まであと五日しかないのに!!」

柴田裕香は歯を食いしばった。

しかし。

女は柴田裕香の不満を聞き終えると、ただ笑い声を上げた。「でもこれがYUNの新曲なのよ。音楽協会に入りたいなら、この楽譜を使えば確実に入れるわ」

「簡単に言うわね!でもこの楽譜、どうやってすぐに習得しろっていうの??!」柴田裕香は歯を食いしばり、YUNがこんな楽譜を作るとは全く想像していなかった。

こんな格調高く、壮大な楽譜を、一体どうやって書いたのか?!