灰原優歌:「……」
彼が何かを知っているのかと思った。
「違うわ」
灰原優歌は否定した。
土屋遥は鼻で笑って、「強情を張るなよ」
灰原優歌:「……」
もういいや。
「でも本当に、今みんなY.G.のことを話題にしているよね」
「暇人ばかりね」
灰原優歌はゆっくりと宿題を取り出し、丁寧に補充していった。
以前なら、土屋遥は彼女の救いようのなさに笑っていただろうが、今ではこの子が物理オリンピックで一位を取ったと思うと、黙って何も言えなくなった。
ふん。
灰原優歌のこの様子は、頭から足先まで優等生には見えない。誰が見ても、彼女がコンテストで一位を取れるとは信じないだろう。
でも実際、そうなってしまったのだ。
「時々、君を見ているとY.G.のファンみたいに見えるけど、時にはアンチファンみたいにも見える」