第448章 養えないとでも?

柴田裕香の顔の笑みは、さらに凝固し、隠しきれない冷たさを漂わせていた。

その時。

女の子は我に返り、慌てて言った。「あの、裕香、私はあなたを馬鹿にするつもりじゃなかったの。」

「大丈夫よ。」

柴田裕香は笑って言った。

柴田裕香が本当に怒っていないのを見て、女子も安心した。「よかった、裕香は優しくて寛容だから。」

「そうそう裕香、これは私が特別にあなたのために用意したプレゼントよ。」女子は思い出したように、すぐにギフトボックスを柴田裕香に渡した。

「本当に私のために用意してくれたの?ありがとう、米田。」

柴田裕香はとても嬉しそうに、すぐにプレゼントを受け取った。

「気にしないで、だって裕香は私の一番の親友だもの。これは前回バルコ市に行った時に買ったの、特別にあなたのためよ。あ、お父さんが迎えに来たから、先に行くね。」

「うん、バイバイ。」

柴田裕香は満面の笑みで女子の去り際を見送り、その後手に持っていた綺麗に包装されたギフトボックスを、そのままゴミ箱に投げ捨てた。

表情は冷たく、皮肉に満ちていた。

……

車が停まった後。

灰原優歌は周りの人の往来を見て、尋ねた。「パーティーに行くんじゃなかったの?」

「制服姿でパーティーに参加させるとでも?」

柴田陸信は腕時計を見て、灰原優歌を見渡しながら、思わず軽く笑った。「行こう。」

灰原優歌はすぐに理解し、車から降りて柴田陸信の後を追った。

「ドレスを選ぶの?」

灰原優歌は柴田陸信の横を歩いていた。

美しい制服姿の女子高生と、洗練された雰囲気の背広姿の男性、周囲の視線を集めるには十分だった。

「あの二人、撮影してるの??!」

周りの女子たちは、興奮して噂し合っていた。

これはどんな恋愛ドラマ??主演の二人のクオリティが高すぎる!!

「よだれを拭きなさいよ。後ろのボディーガード4人見た?本物のお金持ちよ。」

隣の女子が、夢中になっている女子の腕を引っ張りながら、小声で言った。

その時。

他の人々も、この二人の後ろに程よい距離を保って4人のボディーガードが付いていることに気付いた。

……

柴田陸信が灰原優歌を連れてスタイリングデザインセンターに入るまで。

「柴田社長、どうしてこちらにいらっしゃったんですか?」