第452章 私が波風を立てることは許されない

「よし、もう一局やって、それから下に行って彼らを見てみよう」

薄田おじいさんが言った。

「はいはい、じゃあもう一局やりましょう」

……

階下のホール。

「まあ見てよ、薄田京香が帰ってきたら、本当に皆の注目の的ね」

周りのお嬢様たちは、時々視線を向けていた。財閥の若旦那たちと話している薄田京香の方へ。

そして少し離れた角では。

灰原優歌がお菓子を食べながら、時々吉田麻奈未の皿にも少し載せていた。

突然。

「灰原様、あなたも来たんですね」

灰原優歌が振り向くと、佐藤知行と土屋遥がいた。

スーツを着て、端正で気品のある姿。

特に佐藤知行は、一、二ヶ月経って、かなり痩せていて、黒い瞳が輝き、深い目鼻立ちは、多くの若い女性の注目を集めていた。

「ケーキを盗み食いに来たんじゃないでしょうね?出世の望みはどこへ?」