第433章 死にたいのか

灰原優歌は手に持って、普通のバックステージの作業証がこんなに精巧に作られているとは思わなかった。

「これは本社の方から、お客様用の身分証として用意したものです。今後はEGグループ傘下のどの場所でも、この証明書で自由に出入りできます。」

若い男性は言い終わると、さらに親切に尋ねた。「ご案内させていただきましょうか?」

「結構です。人を探しに来ただけですので。ありがとうございます。」

灰原優歌はカードを受け取った後、柴田おじい様を探しに中へ入っていった。

長い廊下で。

柴田おじい様は灰原優歌が入ってくるのを見て、少し驚いた様子だった。

「優歌、どうやって入ってきたんだ?」

灰原優歌は目を動かし、柴田おじい様の腕に手を回しながら、のんびりと答えた。「入り口に誰もいなかったので、そのまま入ってきました。」