彼は自国の子供たちが外国の子供たちより劣っているとは思わなかった。
現状を変えるには、時間が足りないだけだった。
……
家に帰って。
灰原優歌は届いたメッセージに目を通した。
一番多かったのは、高橋教授からのメッセージだった。
【高橋教授:解けましたか?】
すぐに。
灰原優歌は返信した。
【灰原優歌:あまり上手くいきませんでした。】
このメッセージを見て、高橋教授は何となく心配になった。
優歌の態度が何か変だと感じた。
まさか、わざと難しい問題を与えたことがバレたのだろうか??
そして次の瞬間。
高橋教授からの新しいメッセージが届く前に、電話がかかってきた。
「先生?」
灰原優歌はそれがティッキーの声だと分かった。
ティッキーは少し緊張した様子で、「お忙しいですか?」
「いいえ、何かありましたか?」