第513話 お前の隣席はまたどこで遊び回ってるんだ?

「625点だって聞いたよ」

みんなはそれを聞いて、しばらく沈黙した後、誰かが諦めきれない様子で尋ねた。

「じゃあ、私たちのクラスで一番高い点数は?」

先ほど試験用紙を配った優等生が眼鏡を直しながら、「今のところの成績を見ると、佐藤知行が590点みたいだね」

その言葉を聞いて。

みんなはまだ沈黙したままだった。この差がこんなに大きいとは思わなかった。

30、40点もの差があるなんて……

「でも2位の柴田裕香も600点だし、うちのクラスの1位は悪くないよ」別の生徒が慰めるように言った。

「でも佐藤知行以外の、うちのクラスの点数は……」誰かが言いかけて止まった。

確かに。

佐藤知行は最近どうしたのか、点数がロケットのように上がっていた。

突然。

上田先生が厳しい表情で入り口に立ち、ドアをノックした。