平塚翁は研究者タイプが一番苦手だった。
みんな頑固者ばかりだ。
案の定。
平塚翁は金井雅守が一言一句冷たく言うのを聞いた。「私への傷つけ方を、そんなに軽く言わないでください」
「……」
最近、何か悲恋ドラマにハマってるのか?
「じゃあ、理性的に話し合いましょうか?」
平塚翁は深いため息をつき、金井雅守とここで喧嘩するのも避けたかった。できるだけ優しい声を出そうと努めた。
「優歌さんは、この仕事をこなせる実力があります。研究所に行かせて何になるんですか?研究所でゲームでもさせるつもりですか?」
灰原優歌は思わず平塚翁を見た。「……」
金井雅守も平塚翁のこの驚くべき発言に、信じられない様子だった。
つまり、この人は優歌のことを全く理解せずに、後継者にしようとしているのか!?