高村先生の顔色もあまり良くなく、「灰原優歌、まだ帰らないで、高橋教授はもしかしたら……」
「高村先生、申し訳ありません。この間はご迷惑をおかけしました」
灰原優歌は目尻を下げて微笑み、鈴木遥を連れて教室を出た。
高村先生は灰原優歌の後ろ姿を見つめながら、心の中に何か違和感を覚えた。
正直なところ、この期間、彼は灰原優歌との接点は少なく、この学生を反抗的で不真面目だと思っていた。
しかし細かい部分では、この学生は反抗的でありながらも礼儀正しく、自制心があった。
……
「優歌、本当に参加したくないの?このコンテストで一位を取れば、将来どの研究所に入るにしても、価値のある実績になるのよ」
「興味ない」
灰原優歌はゆっくりと答えた。
鈴木遥:「……」
この子は一体何を考えているんだろう?