第597章 横取り

彼女たちを追い払わなければ、灰原優歌を通じてY.G.と知り合えたかもしれないのに……

そう考えると、浦井教授の心に寒気が走った。

思わず鈴木遥の方を振り向き、声は固く緩慢に、「鈴木さん、その灰原優歌も……個人国際選手なのかな?」

「彼女は参加しません」

鈴木遥は最初、なぜ灰原優歌がこの大会に興味を示さないのか理解できなかった。

しかし今この瞬間、ティッキーの言葉と自分の携帯画面に表示された推薦者を見て、灰原優歌が大会に興味を示さない理由が分かったような気がした……

鈴木遥は深く息を吸い、もう一度しっかりと推薦者の名前を見つめた。

本当にY.G.だ……

彼女の推薦者が、まさかY.G.だなんて!!?

突然、鈴木遥は灰原優歌にメッセージを送って、Y.G.のサインをもらえないか聞いてみたくなった。