彼女たちを追い払わなければ、灰原優歌を通じてY.G.と知り合えたかもしれないのに……
そう考えると、浦井教授の心に寒気が走った。
思わず鈴木遥の方を振り向き、声は固く緩慢に、「鈴木さん、その灰原優歌も……個人国際選手なのかな?」
「彼女は参加しません」
鈴木遥は最初、なぜ灰原優歌がこの大会に興味を示さないのか理解できなかった。
しかし今この瞬間、ティッキーの言葉と自分の携帯画面に表示された推薦者を見て、灰原優歌が大会に興味を示さない理由が分かったような気がした……
鈴木遥は深く息を吸い、もう一度しっかりと推薦者の名前を見つめた。
本当にY.G.だ……
彼女の推薦者が、まさかY.G.だなんて!!?
突然、鈴木遥は灰原優歌にメッセージを送って、Y.G.のサインをもらえないか聞いてみたくなった。