「急いで」東山裕の冷たい声が彼女の思考を遮った。
海野桜はわざと困った表情を作って、「選ぶのが難しいわ。本当に全部欲しいくらい」
東山裕は何も言わず、財布からカードを取り出して店員に渡した。「全部包んでください!」
店員は目が笑みで細くなって、「かしこまりました。すぐに包装させていただきます!」
海野桜:「……」
彼女はただ彼を試すためにわざとそう言っただけだったのに、本当に全部買ってくれるなんて。
でも、この程度のお金は彼にとって大したことではない。
彼が散財してくれるなら、彼女も文句はない!
東山裕は立ち上がり、ドレスを一着選んで彼女に渡した。「着替えてきなさい」
海野桜は断らず、ドレスを受け取って試着室へ向かった。
試着室に入ると、ソファに座ってドレスのタグを確認した——なんと25,000円もする!