相良剛は腕時計を見て、あたりを見回した。
何かを見つけたのか、笑って言った。「2分待っていて。」
「え?」
相良剛は何も説明せず、近くの花屋に走っていった。
すぐに、大きな薔薇の花束を買って戻ってきた。
海野桜は驚いた。
「君にあげる。」相良剛は薔薇の花束を彼女に渡した。
海野桜は驚いて、「どうして私に花をくれるの?」
「まず、おじいさんの世話をしてくれてありがとう。それに、さっき驚かされたでしょう?花を見れば、気分が少しは良くなるかなと思って。」相良剛は真面目に説明した。
海野桜はその理由に納得して、「ありがとう。」
彼女は花を受け取り、笑って言った。「これが私、初めての薔薇の花束なの。」
東山裕は一度も彼女に花を贈ったことがなかった。
でも彼女の言葉は、相良剛には別の意味に聞こえた。