彼らが本当に離婚するなんて思いもしなかった。
そう思うと、林馨は心の中の喜びを抑えきれなかった。
彼らの離婚を望むべきではないと分かっていた。
でも、本当に期待していて、とてもとても期待していたんだ!
東山裕のことが忘れられないから……
彼のことを考えると、林馨は激しく鼓動する心臓に手を当て、口角に再び浅い笑みを浮かべた。
……
海野桜はドアを閉めると、床に落ちたバラの花を拾い上げた。
バラの花は先ほど床に落ちて、踏みつぶされていた。
海野桜はため息をつき、もう要らないと思い、ゴミ箱に捨てた。
それから彼女はパジャマを持ってお風呂に入りに行き、相良剛に無事を知らせるメールを送るのを忘れてしまった。
相良剛は待ち続けても彼女からのメールが来ず、少し落ち込んでいた。
彼は自分から連絡しようと思ったが、すぐに任務に就かなければならなかったため、諦めた。