浜田英司は同意して頷いた。「桜、お前は何も分かっていない。叔母さんの言う通りだ。彼はお前が見つけられる最高の夫だ。たとえ二人の間に問題があっても、我慢して乗り越えていけばいいんだ」
海野桜は弁解した。「でも、もう彼への気持ちがないの。好きじゃなくなったの……」
「結婚する時は、彼でなければダメだと言っていたじゃないか!」浜田英司は目を見開き、もう話すなという合図を送った。「もういい、とにかく離婚は認めない。叔父として、私は反対だ!」
「私も反対です」張本花江はお茶を飲みながら冷淡に言った。
海野桜は彼らの態度など気にしなかった。
どうせ彼らは自分を責めて抑え付けるだけだし、最初から彼らの意見を聞くつもりなんてなかった。
彼女は浜田統介を見つめた。「おじいちゃん、私の離婚を支持してくれますか?」
浜田統介は答えずに言った。「桜、今帰ってきたばかりで疲れているだろう。休んでおいで」
「おじいちゃん……」
「もうこの話はやめなさい。休みなさい!」老人は厳しい表情を見せた。
海野桜はおじいちゃんが怒っているのが分かった。
これ以上押し通すことはできず、仕方なく二階に上がって休むことにした。
でも大丈夫、一度で説得できなければ、何度でも言えばいい。
とにかく離婚すると決めたんだから、いつかは認めてくれるはず。
海野桜も一度でおじいちゃんの理解を得られるとは期待していなかった。
……
海野桜が去った後、浜田英司は我慢できずに言った。「お父さん、あの子がどれだけわがままになってしまったか見てください。結婚してまだそんなに経っていないのに、もう離婚だなんて、本当に分かっていないんです!」
浜田統介は淡々と言った。「もういい、桜のことは心配しなくていい。私が管理する」
「お父さん、そういう意味じゃないんです。彼女が損をするのが心配で」
「その話はもういい。今日は何か用があって来たのか?」
浜田英司は笑って言った。「特に用事はありません。ただお父さんに会いに来ただけです……」
結局、彼らは30分も経たないうちに帰っていった。
いつもこんな感じで、来るのも去るのも慌ただしく、浜田統介はもう慣れていた。
帰り道で、張本花江は浜田英司に注意を促した。「あなた、絶対に桜と東山裕を離婚させてはいけませんよ」