「どうして?」
「急に彼のことが好きじゃなくなって、結婚してから、私たち相性が合わないって分かったの。これ以上間違い続けたくないの。おじいちゃん、前は私が間違ってたの。彼に盲目的に夢中になるべきじゃなかった。今になって分かったの、私は思っていたほど彼のことが好きじゃなかったって」
海野桜は責任を以前の分別のない自分に帰結させようとした。
そうすることでしか、突然離婚を望む理由を説明できなかった。
浜田統介は顔を曇らせた。「桜、結婚は遊びじゃないんだ。離婚なんて簡単に言えることじゃない!」
「分かってます、おじいちゃん。前は間違ってました。でも今は本気なんです。誓います、本当に彼と離婚したいんです。絶対に後悔しません!」
「離婚だって?!」
海野桜の言葉が終わるや否や、驚いた男性の声が突然響いた。
海野桜が横を向くと、伯父と伯母が一緒に入ってくるのが見えた。
伯父の家族はここには住んでおらず、時々浜田統介に会いに来る程度だった。
先ほどの海野桜の言葉を、彼らは全て聞いていた。
浜田英司は海野桜を見つめた。「桜、今の話は本当か?東山裕と離婚したいって?」
海野桜は立ち上がり、答えずに「伯父さん、伯母さん、こんにちは」と挨拶した。
浜田英司と張本花江は頷いた。
二人は浜田統介に挨拶をして、座った。
浜田英司は浜田統介に尋ねた。「お父さん、さっきの話は本当なんですか?桜は本当に東山裕と離婚するつもりなんですか?」
浜田統介は頭を抱えながら言った。「誰が本気かどうか分かるものか。きっと二人で喧嘩でもして、それで離婚なんて言い出したんだろう」
浜田英司もそう思った。
海野桜はあれほど東山裕のことが好きで、東山裕もあれほど優秀な男だ。
きっと離婚なんてできるはずがない、絶対に怒りに任せた言葉に違いない。
浜田英司は我慢できずに諭した。「桜、確かにまだ若いけど、もう人の妻なんだぞ。もっと大人になることを学ばないと。離婚なんて、怒りに任せて軽々しく口にできることじゃない!」
海野桜はずっとこの伯父を少し恐れていた。
浜田英司は軍で職務についており、威厳があって、笑顔を見せることもなく、非常に厳しい人だった。
海野桜が以前いたずらをした時も、よく叱られていた!
彼に向き合うたびに、海野桜はとても居心地が悪かった。