第103章 殺気漂う

さらに彼を悩ませたのは。

二日連続で、海野桜は彼に話しかけることもなく、まるで空気のように扱った。

彼が話しかけても、彼女の返事はいつも:「何の用?離婚の相談?」

「いつ離婚するの?」

「何を言いたいの?でも、まず離婚しましょう」

「無駄話する暇があるなら、離婚しに行きましょう」

「私が気に入らないの?離婚すればいいじゃない!」

クソッ!

東山裕は、海野桜がこんなに生意気な口をきくとは思わなかった!

この女は、彼が誰なのか忘れたのか?!

彼は彼女の夫であるだけでなく、東山裕なのだ。

福岡市全体で、誰が彼をこんなに無視し、挑発し、軽視できるというのか!

本当に彼の寛容さを、無力さだと思っているのか?

夜は深く。

全身から不気味な雰囲気を漂わせる東山裕は、地獄から来た悪魔のように、海野桜の寝室のドアを力強く押し開けた!

「バン!」ドアが壁に当たり、大きな音を立てた。

海野桜はベッドの頭に寄りかかって本を読んでいたが、殺気立った彼が入ってくるのを見て、目を見開いて驚いた。

「あ、あなた何をするの?」

東山裕は直接彼女に向かって歩き寄り、その眼差しと表情は恐ろしいほど冷たかった。

海野桜は今までに感じたことのない恐怖と危険を感じた。

彼女は瞬時に枕を掴んで彼に投げつけた。「近づかないで!」

彼女が逃げ出そうとした時、東山裕は電光石火の速さで飛びかかってきた!

「きゃあ!」海野桜は彼の突然の行動に驚かされた。

悲鳴を上げた途端、激しく封じ込められた。

東山裕は猛獣のように、彼女に息つく暇も抵抗する機会も与えなかった。

海野桜は彼に怯えていた。

彼女は慌てて怒りながら抵抗したが、彼の絶対的な力の前では、次第に弱々しくなっていった……

最後には、完全に力が抜け、彼の思うがままになるしかなかった。

……………………

早朝、東山裕は元気いっぱいに会社へ出かけた。

海野桜はずっとベッドに横たわったまま、髪も服も乱れ放題だった。

昨夜の東山裕の仕打ちを思い出すと、殺意すら湧いてきた!

いいえ、今すぐにでも離婚したかった!

でも、彼の恐ろしさを思い出すと……また気が引けた。

彼の言う通り、彼が彼女に何をしようと、彼女には止められない。