さらに彼を悩ませたのは。
二日連続で、海野桜は彼に話しかけることもなく、まるで空気のように扱った。
彼が話しかけても、彼女の返事はいつも:「何の用?離婚の相談?」
「いつ離婚するの?」
「何を言いたいの?でも、まず離婚しましょう」
「無駄話する暇があるなら、離婚しに行きましょう」
「私が気に入らないの?離婚すればいいじゃない!」
クソッ!
東山裕は、海野桜がこんなに生意気な口をきくとは思わなかった!
この女は、彼が誰なのか忘れたのか?!
彼は彼女の夫であるだけでなく、東山裕なのだ。
福岡市全体で、誰が彼をこんなに無視し、挑発し、軽視できるというのか!
本当に彼の寛容さを、無力さだと思っているのか?
夜は深く。
全身から不気味な雰囲気を漂わせる東山裕は、地獄から来た悪魔のように、海野桜の寝室のドアを力強く押し開けた!
「バン!」ドアが壁に当たり、大きな音を立てた。
海野桜はベッドの頭に寄りかかって本を読んでいたが、殺気立った彼が入ってくるのを見て、目を見開いて驚いた。
「あ、あなた何をするの?」
東山裕は直接彼女に向かって歩き寄り、その眼差しと表情は恐ろしいほど冷たかった。
海野桜は今までに感じたことのない恐怖と危険を感じた。
彼女は瞬時に枕を掴んで彼に投げつけた。「近づかないで!」
彼女が逃げ出そうとした時、東山裕は電光石火の速さで飛びかかってきた!
「きゃあ!」海野桜は彼の突然の行動に驚かされた。
悲鳴を上げた途端、激しく封じ込められた。
東山裕は猛獣のように、彼女に息つく暇も抵抗する機会も与えなかった。
海野桜は彼に怯えていた。
彼女は慌てて怒りながら抵抗したが、彼の絶対的な力の前では、次第に弱々しくなっていった……
最後には、完全に力が抜け、彼の思うがままになるしかなかった。
……………………
早朝、東山裕は元気いっぱいに会社へ出かけた。
海野桜はずっとベッドに横たわったまま、髪も服も乱れ放題だった。
昨夜の東山裕の仕打ちを思い出すと、殺意すら湧いてきた!
いいえ、今すぐにでも離婚したかった!
でも、彼の恐ろしさを思い出すと……また気が引けた。
彼の言う通り、彼が彼女に何をしようと、彼女には止められない。