第126章 私を兄と呼ぶな!

海野桜は午後会社を出てから、ずっと家に帰っていなかった。

彼女の携帯電話も電源が切れていて、連絡が取れなかった。

東山裕は彼女がどこに行ったのか分からず、家で何度も電話をかけ続け、焦りながら待っていた。

外は既に暗くなっていた。

東山裕が外に探しに出ようとした時、柴田治人から電話がかかってきた。

海野桜が事故に遭って病院にいると知った瞬間、彼の心は締め付けられ、すぐさま病院へ駆けつけた!

東山裕が到着した時、柴田治人は既に先に着いていた。

彼らは病室の中にいて、海野桜だけがベッドに横たわり、頭に包帯を巻かれ、意識不明の状態だった!

東山裕は大股で病床に近づき、身を屈めて心配そうに海野桜の怪我の具合を確認した。

「一体どうなったんだ?」彼は陰鬱な表情で尋ねた。

柴田治人は橋本友香を一瞥し、彼を慰めた。「詳しい状況は私もまだ聞いていません。でも嫂さんの怪我は深刻ではなく、医者は一晩休めば大丈夫だと言っています。」