浜田統介は頷いた。「確かに私たちと相談すべきだったな」
「おじいちゃん、私が離婚を強く望んだから、東山裕は仕方なく私と協議書にサインしたんです!」海野桜は慌てて説明した。「おじいちゃん、責めるなら私を責めてください。私が離婚を騒ぎ立てたんです!」
東山裕は心の中で自嘲的に笑った。
何を笑っているのかも分からなかったが、ただ可笑しく感じた。
「桜、お前は本当に分かっていない...」浜田英司が彼女を叱ろうとしたが、浜田統介に制止された。
「協議書にサインしたのなら、それでいいだろう。裕、いつか時間を作って、両家で集まろう。お前たちは夫婦だったのだから、おじいさんとしては両家が冷静にこの件に向き合えることを願っている」
東山裕は淡々と頷いた。「はい」
「両家で話し合った後で、離婚手続きを進めなさい。ただし、お前たち二人とも、今回の決定を後悔しないことを願っているよ」老人は結局、彼らに警告せずにはいられなかった。