第152章 本当に嫉妬してるの?

「本当に捨てたの?どうしてそんなことするの?私の子犬なのに、なんで捨てたの?どこに捨てたの?」

海野桜は心配で仕方がなかった。もし子犬が外で餓死したり、車に轢かれて死んでしまったらどうしよう?

東山裕は無表情で「要らないと思ったから、捨てた!」

「要らないなんて言ってない……」

「要るなら、なぜ一人で離れた?なぜ電話に出ない?なぜ無視する?!」東山裕は怒りを抑えながら詰問した。

確かに彼は怒っていた。

彼女は今日、突然怒り出すだけでなく、彼に長時間探させ、待たせた。

さらにひどいことに、他の男と一緒にいたのだ!

しかも他の男に笑顔を向け、頭を撫でられることまで許していた!

以前は彼のことだけを愛し、目に映るのは彼だけだったはずなのに?

今、他の男と親しくしているのは何のつもり?

離婚したがっているのは、他に好きな人ができたからなのか?

海野桜はまだ怒っていた。「どう言い訳しても、私の子犬を捨てるなんてひどすぎる。東山裕、あなたは優しさのかけらもないわ!」

「お前こそ優しいな!子犬だけじゃなく、相良剛にも優しいんだろう?」東山裕は怒りを抑えきれずに問いただした。

海野桜は少し驚いた。

彼は何を言い出すのか?

次の瞬間、彼女は笑ってしまった。「その様子、もしかして嫉妬?」

海野桜は考えれば考えるほどその可能性が高まった。彼を疑わしげに見つめながら「本当に嫉妬してるの?私のことを好きになったの?」

東山裕は何か予感がした。

もし彼が頷けば、次の瞬間彼女は得意げに大笑いし、彼を徹底的に侮辱し、プライドを踏みにじるだろう。

でも、なぜ頷く必要がある?この憎たらしい女なんか好きじゃない!

東山裕は彼女に近づき、邪悪な笑みを浮かべた。「男は自分の女に対して独占欲を持つものだって知らないのか?」

海野桜は眉をひそめた。つまり、単なる独占欲が働いているだけ?

そうか、男は下半身で考える動物だから、愛情がなくても女を独占したがる。

多くの男は、関わった女を全て独占したがるものだ。

海野桜は非常に嫌悪感のある目つきで彼を見て、遠慮なく言った。「人としてどうしてそんなに失格なの?軽蔑せずにはいられないわ」

東山裕は「……」