第147章 海野桜とすれ違う

二人とも間違っていた。

彼女はあんなに衝動的でわがままであってはいけなかった。そうでなければ、林馨に利用される機会を与えることもなかったはずだ。

結局のところ、彼女の世界観が単純すぎて、学んだ知識も少なすぎたのだ。

もし彼女に十分な見識があれば、林馨に簡単に操られることもなかったはずだ。

そして、彼女に見識と自己認識が欠けていたのは、東山裕のことばかり考えていたからだ!

だから前世であんなに失敗した人生を送ったのも、彼女の責任だった。

もちろん、林馨の過ちが一番大きい!

彼女の本性を知った今、海野桜は二度と彼女に利用される機会を与えないつもりだ!

そう考えると、海野桜の目に決意の光が宿った。

林馨、今度の人生では私を踏み台にして這い上がることなんてできないわよ、絶対に!