第171章 行動するホルモン

浜田統介は悲しそうに首を振った。「幼い頃から両親を失い、お前を可愛がりすぎて、何でも好きにさせてきた。東山裕との結婚が幸せにならないと分かっていても、お前の意思を尊重した。お前が幸せならそれでいいと思っていた。でも、そんな甘やかし方が、お前を台無しにしてしまった!」

彼女を好きなようにさせ、少しの不自由も味わわせなかった。

結果として、結婚生活も守れず、自立する能力さえ身につけられなかった。

今から学校に通っても、成功する保証はない。

そして彼の寿命はもう長くない。いつ死ぬか分からない。

もう彼女の一生を保証することはできない。できることは、彼女を早く成長させることだけだ……

たとえ彼女にとって、このような決断が辛くても。

浜田統介はこれらの分析を彼女に説明し、ため息をつきながら言った。「桜、もうお前の好きにはさせられない。お爺さんの言うことを聞くなら、指示通りにしなさい。さもなければ、お前を誰かと結婚させる。一生誰かに頼って生きることになるぞ。」

海野桜は辛い気持ちで聞いていた。彼の思いやりは分かるが、それでも嫌だった。

「お爺さん、東山裕に指導してもらわないといけないの?他の人にお願いできないの?」

老人にも思惑があった。

今の東山裕が海野桜に感情を抱いているのが分かっていた。

もし二人が復縁できれば、それに越したことはない。

東山裕が彼女の面倒を見てくれれば、自分が死んでも安心だ。

「彼が最高の指導者だ。学ぶなら最高の人から学べ!もちろん、彼に会いたくないなら、お爺さんが死ぬまでに新しい夫を見つけてやる。」浜田統介は断固とした口調で、反論を許さなかった。

海野桜はもう二度と結婚するつもりはなかった。

だから今、選択の余地はなかった……

「お爺さん、彼から学びます。」自分が妥協する声が聞こえた。

……

東山裕はシャワーを浴び、バスタオル一枚で出てきたところで、ノックの音が聞こえた。

「入れ。」彼は淡々と言った。

海野桜は外から扉を開け、彼を見つめて直接言った。「あなたが住み込んで指導することは認めます。でも、それは指導だけ。私たちに可能性なんてありません!」

東山裕の黒い瞳が微かに光り、彼女に向かって歩み寄った。

上半身は裸で、一歩進むごとに、完璧な体つき、胸筋、腹筋、そして深い表情に光と影が揺れた。