第205章 あなたの孫婿になりたい

海野桜は相良剛を食堂へ案内した。

彼女はお酒を手に取って尋ねた。「相良兄、お酒はいかがですか?」

「遠慮しておくよ。運転があるから」

「そうですか。たくさん食べてくださいね。私は付き合えませんが、午後は授業があるので」と海野桜は笑いながら言った。

相良剛は彼女を見て頷いた。「行っておいで。今日は何時に授業が終わる?迎えに行くよ」

海野桜は不思議そうに「どうして迎えに?」

相良剛は微笑んで「ある妹にプレゼントを買いたいんだ。君と同じくらいの年齢なんだけど、女の子が何を好むのか分からなくて。その時に見てもらえないかな」

海野桜は快く承諾した。「はい、大丈夫です。だいたい4時半に授業が終わりますので、その時に福岡大学の正門で待っていてください」

「分かった」

「じゃあ、行きますね」海野桜は時間に追われていたので、すぐに立ち去った。

相良剛は彼女の後ろ姿を見つめながら、口元に微かな笑みを浮かべていた。

海野桜はすぐに去り、相良剛は急いで食事を済ませると、浜田統介と話をしに行った。

老人は彼と多くの話題を語り合った。すべて部隊に関することだった。

相良剛が福岡市に転属になったことについて、老人は大いに賛同し、喜んでいた。

「お前の祖父さんが亡くなって、家にも誰もいない。ここに来るのはいいことだ。これからは私がお前の祖父として面倒を見よう。それに福岡市の方が発展の可能性も広いしな」

相良剛は微笑んで「ここに来るのは一時的なものです。長くても1、2年で、その後もここに残れるかどうかは申請次第です」

「お前のような優秀な人材なら、その時は私から一言言っておけば、ここに残るのは問題ないだろう」老人は彼のために口利きをすることを全く厭わなかった。相良剛が本当に優秀だったからだ。

彼が獲得した軍功章は、すべて命を賭けて勝ち取ったものだった。

相良剛は嬉しそうに笑って「ありがとうございます、おじいさん」

「何のお礼だ。言っただろう、これからは私もお前の祖父なんだ。私を二番目の祖父として思ってくれ!」

相良剛は笑いながら「おじいさん、実は私も本当の祖父として思いたいのですが、ご同意いただけるかどうか心配で」