橋本友香は若い頃の彼女とほとんど瓜二つで、男性が所有したくなるほど美しかった。
蘇我直哉の視線は、ずっと侵略的に彼女を見つめていた。
その危険な雰囲気に、橋本友香はますます落ち着かなくなった!
もし母が蘇我直哉に会わせるために呼び出したと知っていたら、絶対に来なかったはずだ!
しかし、ここに来てしまった以上、母の強い要求で、もう帰ることはできなかった。
橋本友香は何度も帰ろうとしたが、全て拒否された。
「友香、蘇我坊さんがお母さんの新しい会社に投資してくれたのよ。お母さんのためにも一杯くらい付き合いなさい。お酒を飲んだら、あなたの用事に行っていいわ。引き止めないから」高橋実紀は彼女の手に小さな赤ワインを押し付けながら急かした。
「お母さん、私お酒飲めないの……」橋本友香は反射的に断った。
「少しの赤ワインよ、酔わないわ。蘇我坊さんに敬意を表さないと、お母さんの次の資金が調達できなくなるわよ。それは一億円なのよ」高橋実紀は冗談めかして言った。
蘇我直哉はグラスを持ち上げ、優しく微笑みながら言った。「友香さん、何度もお食事にお誘いしましたが、今日やっとお会いできました。一緒に一杯飲まないなんて、納得できませんよ。友香さん、一杯だけです。飲んでくれたら満足します!」
「そうよ、早く、蘇我坊さんの顔を立てなさい……」高橋実紀も彼女を急かし続けた。
橋本友香は元々優しい性格で、人を断るのが苦手だった。
仕方なく、彼女は妥協した。「わかりました、蘇我さん、お付き合いさせていただきます」
グラスを掲げて合図すると、彼女は一気に飲み干した。
蘇我直哉は彼女の白い頬、赤みを帯びた唇、美しく長い首筋を大胆な視線で見つめ、その目には欲望が隠しきれなかった。
「素晴らしい!」橋本友香が飲み終わると、彼は拍手しながら笑った。「友香さん、今日は本当に面目を立ててくれました。これは友香さんへのプレゼントです。必ず受け取ってください」
蘇我直哉は四角いジュエリーケースを開けた。中にはダイヤモンドのネックレスが入っていた。
橋本友香は一瞬固まり、首を振って断った。「結構です、蘇我さん。お贈り物は受け取れません。お酒も飲みましたし、もう失礼します!」
橋本友香は立ち上がろうとしたが、突然めまいを感じた。