第268章 こんなに甘ったるい……

もともと寒い冬に、さらに大雨が降り、外に出るのが怖いほど寒かった。

海野桜は寒がりで、家に引きこもりがちで、どこにも行きたがらなかった。

東山裕は彼女を他の国で冬を過ごすように誘ったが、おじいちゃんから離れたくないという理由で断った。

そして彼女は東山裕と同棲したくなかったので、毎日デートに出かけるしかなかった。

早朝、海野桜は自分をしっかりと包み込み、ふわふわの白いマフラーを巻いて、東山裕と出かけた。

車に乗ると、突然車内の暖かさを感じ、海野桜は思わず震えた。

でも、彼女は甘く微笑んだ。

なぜなら東山裕は彼女を迎えに来るたびに、暖房を常につけっぱなしにして、彼女が乗った瞬間から暖かさを感じられるようにしていたから。

「君へのプレゼントだよ」東山裕は突然バラの花束を取り出して彼女に渡した。