もともと寒い冬に、さらに大雨が降り、外に出るのが怖いほど寒かった。
海野桜は寒がりで、家に引きこもりがちで、どこにも行きたがらなかった。
東山裕は彼女を他の国で冬を過ごすように誘ったが、おじいちゃんから離れたくないという理由で断った。
そして彼女は東山裕と同棲したくなかったので、毎日デートに出かけるしかなかった。
早朝、海野桜は自分をしっかりと包み込み、ふわふわの白いマフラーを巻いて、東山裕と出かけた。
車に乗ると、突然車内の暖かさを感じ、海野桜は思わず震えた。
でも、彼女は甘く微笑んだ。
なぜなら東山裕は彼女を迎えに来るたびに、暖房を常につけっぱなしにして、彼女が乗った瞬間から暖かさを感じられるようにしていたから。
「君へのプレゼントだよ」東山裕は突然バラの花束を取り出して彼女に渡した。
毎日、彼は彼女に花束を贈っていた。
海野桜は毎回受け取るたびに嬉しく、飽きることはなかった。バラの花束を受け取ると、いつものように身を乗り出して彼の頬にキスをした。
東山裕は物足りなく感じ、彼女の頭を抑えて深いキスをしてから離した。
そして毎回キスをするたびに、海野桜は顔を赤らめ、心臓が高鳴った。
東山裕は彼女の恥ずかしそうな様子を見て、瞳の色を暗くし、もう一度キスをした!
今日の彼はどうしたのか、まるでいくらキスしても足りないかのように、何度も何度も……
海野桜は息を切らして彼を押しのけ、冗談めかして言った。「行かないの?このままぐずぐずしていたら、そのまま昼ご飯の時間になっちゃうわよ」
東山裕は唇を曲げて微笑んだ。「行きたくないんだ。このまま永遠に君とキスしていたい」
海野桜の黒い瞳はさらに恥ずかしそうになった。「もういいから、早く行きましょう。毎日こんなに甘ったるくて……」
彼女は本当に少し耐えられない感じがした。
東山裕は彼女の手をしっかりと握り、突然真剣に尋ねた。「海野桜、僕がどれだけ君を愛しているか分かっているかい?」
海野桜は少し驚いた。なぜ突然こんなことを言い出したのだろう?
彼の真剣なまなざしを見て、彼女は仕方なく頷いて認めた。「はい、分かってます。最近、私、すごく自意識過剰になってきちゃった」
「自意識過剰?」東山裕は理解できない様子だった。