第270章 崩壊！

責任者は慌てて答えた。「すでに連絡済みです。検査員がすぐに来ます！」

東山裕は唇を引き締め、その大きな体躯は威厳に満ちていた。

彼は鋭い目つきでこれらの建物を見渡し、そのうちの一棟に向かって歩き出した。

一行は急いで彼の後を追った……

しかし中に入ると、すぐにポタポタという音が聞こえてきた。

まだ内装工事が済んでいない建物の中で、天井のあちこちから水が漏れていた。

床も至る所に水が溜まり、不快なカビ臭さまで漂っていた。

海野桜は斑模様になった建物を見て、驚愕した。「状況がこんなにひどいなんて？」

彼女は単なる雨漏りだと思っていたが、まさか……これは完全に危険建物じゃないか！

「そうなんです。私たちもこんなにひどいとは思っていませんでした。最初に見たときは、本当に驚きました……」責任者は心配そうに言った。

東山裕の表情は冷たくなり、壁に手を触れた後、突然壁を殴りつけた！

バンという音とともに、壁にはすぐに亀裂が入った——

海野桜たちは衝撃を受けた。

この建物の品質は、あまりにもお粗末すぎる！

東山裕の表情はさらに暗くなり、歯の間から冷たく言葉を絞り出した。「粗悪工事——」

責任者たちは一瞬にして顔面蒼白になった。

責任追及されれば、彼らは大変なことになるからだ。

「行って叩け、全ての棟を叩いてみろ！どれもこんな豆腐のカスみたいなものか確かめてやる！」東山裕は突然怒り出し、責任者たちは慌てて至る所を確認しに行った。

そして東山裕も、レンガを手に取り、あちこちを叩き始めた！

どこを叩いても亀裂が入る……

海野桜は非常に驚いて、「どうしてこんなことに？建物がいくら悪くても、こんなにひどいはずがないわ」

「最近の豪雨で、品質の問題が早めに露呈したんだ」東山裕は彼女を見て言った。「車で待っていてくれ。私が見て回る」

「一緒に行きましょう……」

「必要ない。ここは道が滑りやすい！」東山裕は断固として拒否した。

確かに、この時期はずっと雨が降り続いていて、建物の中は湿気が多く、床には至る所に滑りやすい苔が生えていて、少し気を抜くと転んでしまいそうだった。

さっきも彼女は何度か滑りそうになっていた。

海野桜は彼の邪魔をしたくなかったので、外の軒下で待つことにした。