恐怖が、一瞬で彼女の全身を包み込んだ。
血液までもが凍りついたようだった……
海野桜は、なぜこれほどの恐怖を感じているのか分からなかったが、心の底からの恐れを抑えることができなかった。
逃げ出したい、もう何も聞きたくないとさえ思った。
しかし、彼女はその場に立ち尽くしたまま、機械的に尋ねた。「なぜ?」
東山裕も機械的に答えた。「東山一族が売国の罪で冤罪を被ったからだ!巨大な東山家が、一夜にして全て崩壊した!私の祖母と、父の弟と妹は、獄中で屈辱に耐えかねて自殺した。東山家が完全に滅びようとしていた時、君の祖父が立ち上がって、私の祖父と父を救ってくれた。さらには、冤罪を晴らすのを手伝い、東山家の名誉を回復させ、再起させてくれたんだ。」
海野桜は驚いて、「私の祖父が彼らを救ったって?」