第292章 おじいちゃんを救いたい

「お嬢様、旦那様が事故に遭われました。あなたまで具合が悪くなってはいけません。お体を大切にしてください。旦那様があなたのこんな姿を見たら、心を痛めるでしょう」と張本家政婦は彼女を慰めた。

海野桜は突然言った。「張本さん、実は今日、おじいちゃんに会ってきたの」

張本家政婦は驚いて固まった。「何ですって?旦那様にお会いになったんですか?!」

「うん、東山裕さんが連れて行ってくれたの……」

張本家政婦は驚いて「旦那様はお元気でしたか?」

海野桜は首を振った。「おじいちゃんは大丈夫だって言ってたけど、私にはわかるの。あそこはとても良くないところだって。張本さん、おじいちゃんを助けたいの」

たとえおじいちゃんに過ちがあったとしても、助けたかった。

善悪は関係なく、ただ一番愛してくれたおじいちゃんが無事でいてほしかった。