やはり浜田統介は浜田家の大黒柱だから、彼がいなくては困る。
彼女も信じていた。おじいちゃんがいなくなれば、彼らはきっと彼女の生死なんて気にもかけないだろう。
もしかしたら家から追い出されるかもしれない。
彼らの言うことを聞かずに、あらゆる手段を尽くしておじいちゃんを救い出そうとしたのだから。
前世でもそうだった。おじいちゃんが亡くなった後、彼らは彼女の生死を気にかけることもなく、一度も刑務所に面会に来なかった……
だからこの世界で、彼女に一番優しい人は、おじいちゃんだけなのだ。
彼らに言われなくても、おじいちゃんを救い出す方法を考えるつもりだ!
でも、どうやっておじいちゃんを救い出せばいいのだろう?
……
海野桜が途方に暮れていたその時、相良剛が戻ってきた!
彼は海野桜が数日前に送ったメッセージを見て、帰ってくるなり彼女を探しに来たのだ。
二人はあるカフェで待ち合わせた。
海野桜は彼を見て、心に少し希望が芽生えたような気がした。
相良剛は海野桜がかなり痩せた様子を見て、心を痛めた。「桜、随分痩せたね。一体何があったの?おじいちゃんはなぜ逮捕されたの?」
彼の落ち着いた思いやりのある言葉を聞いて、海野桜はたちまち悲しくなって目が赤くなった。
「相良兄、今は相良兄しか私を助けてくれる人がいないの……」
相良剛は眉をひそめた。「慌てないで、ゆっくり話して。何があっても、僕は必ず助ける方法を考えるから!」
「ありがとう!」海野桜は非常に感謝した。相良剛の言葉は、この絶望的な期間で彼女が感じた最も温かい言葉だった。
そして、彼女は事の経緯を全て話した。
相良剛は衝撃を受け、怒りも感じた!
「東山裕がお前にそんなことを?!」彼は非常に怒っていた。「これが彼の言う好きとか愛なのか?!」
海野桜の心は一瞬刺されたように痛んだ。淡々と言った。「相良兄、彼のことは気にしないで。私も彼とは何の関係も持ちたくないの。私はただおじいちゃんを救い出したいだけ。でも考えられる方法は全て試したけど、どれも無駄だった……」
相良剛は重々しく言った。「確かにこの件は非常に厄介だ。おじいちゃんが自ら罪を認めてしまったなら、救い出すのは難しい。」