第289章 私は夢を見た

「ああ、すべては祖父の過ちだ」浜田統介は重々しく頷いた。

「いいえ、信じられません!」海野桜は首を振った。「おじいちゃん、きっとあなたがやったことじゃない、何か事情があるはずでしょう?」

「ああ、祖父にも間違いを犯すときがある。しかし、その過ちに気づいたときには、もう遅すぎたのだ」

海野桜は衝撃を受けた。

本当におじいちゃんがやったの……

「桜よ、この日が来ることは、祖父はずっと予感していた。一生逃げ続けてきたが、今こそ向き合うべき時だ。裕を責めるな、確かに私が彼らに申し訳ないことをしたのだ」

「おじいちゃん、私はまだ信じられません……」海野桜は悲しそうに言った。「あなたはそんなに優しい人なのに、どうして人を傷つけることができるの。信じられません!きっと私を救うために、わざと認めたんでしょう」

浜田統介は頷いた。「確かに祖父はお前を救うために認めたが、これも事実なのだ」

海野桜は目を見開いた。「そんなはずない……」

「それに、祖父が自ら自首したんだ。祖父がお前に申し訳ないことをした。今回お前を巻き込んで苦労をかけてしまった」

「おじいちゃん、私があなたに迷惑をかけたんです!」

「桜よ、祖父の話を聞きなさい。祖父のことで悲しまないでくれ。ここに入ることで、祖父の心はむしろ少し落ち着いた。ただ、これからは祖父がお前のそばにいられないから、自分の面倒は自分で見られるようになりなさい。必ず自分のことを大切にするんだよ……」

……

海野桜が面会室を出たとき、目は泣きはらして腫れていた。

東山裕はずっと外で彼女を待っていた。

彼女が出てくるのを見て、彼の目が揺れた。慰めに行きたかったが、どんな言い訳も見つからなかった。

海野桜は少し憎しみを込めて彼を見つめた。確かにおじいちゃんは間違いを犯したけれど、それでも彼を恨まずにはいられなかった。

でも、彼の顔を見るのも嫌だった。

何も言いたくなかった海野桜は、すぐに立ち去ろうとした。しかし数歩も歩かないうちに、彼に腕を掴まれた。

「何するの、離して!」海野桜は即座に怒りを爆発させた。

東山裕は掠れた声で尋ねた。「本当に一生僕を無視するつもりなのか?」

海野桜は冷笑した。とても皮肉な笑みだった。「冗談だと思ってるの?」