「おじいちゃんはもう死にそうなのに、そんなことをする必要はないわ。おじいちゃんの心を苦しめるだけよ!」
浜田統介は深く嘆き、「桜、おじいちゃんは本当にそんなことをする必要はないんだ。早く東山裕を断りなさい、いいね?!」
海野桜は固く首を振った。「おじいちゃん、私は彼を断りません。おじいちゃんを救えるのに、どうして救わないの?それに私には何の損もないわ」
老人は少し怒って、「でも彼と結婚して、幸せになれるのか?!以前は、おじいちゃんは彼が本当にお前のことを好きだと思っていた。でも今回のことがあって、お前たち二人は心に壁なく一緒にいられるのか?」
「何の関係があるの、私は気にしないわ」海野桜は無関心そうに言った。
浜田統介は胸が痛むほど怒った。「お前が気にしなくても、おじいちゃんは気にするんだ!おじいちゃんはもう死にそうだから、刑務所に入ることなんて気にしない。でもお前は違う、まだ若いし、これからの人生は長い。こんな風に自分の幸せを台無しにしてはいけない!」
「おじいちゃん、あなたが元気で生きていてくれることが、私にとって一番の幸せなの!」海野桜は突然真剣な表情で言った。「私はもう恋愛なんて期待していないわ。誰と結婚しても同じよ。東山裕と結婚すれば、おじいちゃんを救えるのに、どうしてそうしないの?おじいちゃん、私のことを心配しないで、本当に気にしていないの。実は私、とても嬉しいわ。こんなに簡単におじいちゃんを救えるなんて、どれだけ嬉しいか分からないわ。だから東山裕を断るなんて、絶対にできません!」
浜田統介は愕然とした。
海野桜のこんなに孝行な心に、彼は深く感動した。
しかし……
「桜、おじいちゃんはお前の気持ちは分かっている。でもおじいちゃんにとって、お前の幸せが一番大切なんだ」
海野桜は笑顔を見せた。「おじいちゃん、私は今とても幸せよ。だってあなたがまだ生きていて、私を置いて行かず、孤児にならずに済んだから!だからおじいちゃん、本当に私のことを思うなら、私の決意を受け入れてください。そうしないと、私は一生後悔することになるわ……」
浜田統介は目が少し赤くなり、心の中で無限の感慨を覚えた。
「桜よ、全ておじいちゃんがお前を害してしまった……」