第330章 私たちは再婚しよう!

どんなに頑張っても掴めないような気がする。

東山裕は今までこんなにも無力を感じたことがなかった……

夢の中でさえ、彼は怖かった。悪夢まで見てしまったのだ!

海野桜が消えてしまい、もう二度と見つからないという夢を!

「海野桜——」東山裕は大声で叫び、夢から目を覚まし、隣で寝ていた海野桜も目を覚ました。

海野桜は不思議そうに体を起こし、「どうしたの?」と尋ねた。

彼女を見た東山裕は、突然彼女を引き寄せ、強く抱きしめた!

海野桜は少し戸惑い、思わず身をよじった。「東山裕、どうしたの?」

「動かないで!」男性はさらに強く彼女を抱きしめ、息遣いが少し乱れていた。

海野桜は彼の胸に寄り添ったまま動かなくなり、同時に彼の力強くも急いだ心臓の鼓動を感じた。

彼女は目を瞬かせ、不思議そうに尋ねた。「もしかして悪夢を見たの?」