彼の心は読みにくく、誰も彼が何を考えているのか分からなかった。
しかし父親である東山秀造は、一目で彼が決心を変える気など全くないことを見抜いていた。
彼と鴻野美鈴も何度も説得したが、彼は聞く耳を持たなかった。
今や一族全員が説得しても、彼はまだ聞き入れない……
東山秀造はもう我慢できず、激しく机を叩いた!
「東山裕、聞くぞ、お前は本当にこんな不道理な、皆から見放される様なことをするつもりか?!」
彼の突然の怒鳴り声に、全員が凍りついた。
海野桜のまぶたもピクリと動いた。
全員が東山裕を見つめ、彼の答えを待っていた。
全員が緊張し、無言の圧力をかけていた……
東山裕はゆっくりと目を上げ、父親と真っ直ぐに見つめ合い、そして、断固とした声で一言を吐き出した:「はい——」